この度デカメロンは「Ambiguous Intentions」と題する連続した展覧会を実施致します。
その第一弾としてアーティスト堀内崇志の個展「In the corner」を 6/14(金)~7/15(月)まで開催いたします。是非ご高覧下さい。
堀内は1991年に生まれ、2016 年に東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了。現在は東京を拠点に活動。社会から孤立した物質的な個と、関係性の中での不確かなイメージとしての自己がどのように関わり合い、個を取り囲む社会がどのようにして現れてくるのかに関心を持ち、個と社会、そして両者の関係性、時には自身を題材に制作を続ける。近年の主な展覧会に小東亜屋台(JUNGLE GYM、岸町、東京、2023)、ai mi Tagai London(White Conduit Project、London、2022)、ai mi Tagai 2021(遊工房、善福寺、東京)などがある。
「私の作った無名の千円札を「模型」として命名していったのも、防壁であり、論理であり、 計算であり、知恵であり、自在さであったのかもしれない。私は本当に模型を作ろうとしたのだろうか。かりに税金と衝突しなくても、それを模型と呼んでいただろうか。事情はともあれ、それを模型として計算したことによって、私はそれを所有してしまっているようだ。しかし当初の私には「模型」の所有もくそもなかったはずである。」
(赤瀬川原平.赤瀬川原平の文章 オブジェを持った無産者.現代思潮社,1970,p166.-p167.)
「Ambiguous Intentions」とは、人や組織が持つ意図や目的が不明確である状態を指します。つまり行動や発言の背後にある本当の意図がはっきりしない状況を自覚/無自覚問わず形成した場合、それらが他者に対して状況の理解/解釈を困難な状況下へと招き入れ、場合によっては誤解を生じさせ、信頼関係やコミュニケーションの円滑さに影響を及ぼす可能性があり得るという事です。この「Ambiguous Intentions」という言葉が指し示す状況下がネガティブな印象として受け止められる時、むしろ人間という種族が為すコミュニケーションの大半がこの「Ambiguous Intentions」を端とし織りなされているような気がして止みません。いや、どうだろう。そんなことはないか。ただ、私はこの「Ambiguous Intentions」が齎し得る転覆に時として期待してしまう癖があります。
文責:黑瀧 紀代士
―In the corner に寄せて―
本展覧会タイトルはSan-Xのキャラクターシリーズ「すみっコぐらし」を参考に付けられました。堀内崇志と密に親睦を深める中で、彼らしさが滲み出る参考元と展覧会名であると思い、また同時に、2022年3月に無人島プロダクションで実施された蔵屋美香さんをゲストキュレーターとして御招きなされた展覧会「すみっこ CRASH☆」も記憶に新しく同じタイトル参考元として非常に良い対比となることを期待しています。
In the corner
会期
2024/06/14(金)~7/15(月)
・入館料¥500
開館情報
Sun~Sat 18:00~24:00
(24時以降のご鑑賞はご一報下さい)
会場
デカメロン
住所
東京都新宿区歌舞伎町 1-12-4
電話番号
03-6265-9013
主催
デカメロン
共催
Two monologue