東京を拠点に活動するアーティスト集団・オル太と、原田裕規の新作展を開催いたします。
オル太は都市や街に根付く土着の空気感を綿密にリサーチし、演劇やゲームなどの親しみやすい形式で発表してきました。また、原田は心霊写真やオープンワールドゲームなどをモチーフに、作家自身の身体や認知の限界に挑みながら、「イメージの倫理」を模索する作品を発表してきました。
新作の制作にあたり、オル太は新たに都市のリサーチを行い、演劇とインスタレーション・アートの形式を踏襲した新しい形の作品を制作・発表いたします。また、原田はあらゆるコミュニティ、欲望、歴史からも見捨てられた市井の人々の写真群を用いて、情報を再結晶化させる「One Million Seeings」シリーズの新作映像を制作・発表する予定です。
本展は以上2組による新作展となります。会場であるデカメロンは、ボカッチオの小説である『デカメロン』になぞらえ2020年7月に誕生したギャラリーで、1階にバーを併設しており、本展に合わせたオリジナルモクテルを販売予定です。
「オカルティック・ヨ・ソイ」という展覧会名はキュレーターの檜山真有がつくった造語です。オカルトはラテン語: occulere の過去分詞 occulta(隠されたもの)を語源とし、目で見たり、触れて感じたりすることのできないことを意味します。ヨ・ソイ(Yo Soy)はスペイン語で「私は(I am)」という意味です。
自分の輪郭というのはヨソ(余所)からの見えと、ソイ(素意)により出来上がる。そこに偶然性や超自然的現象などの目で見たり、触れて感じることのできない現実と想像のはざまを往来して立ち現われるものから自分の輪郭を見出す、という意味が込められています。