身の回りに存在するものは「見えるもの」「見えないもの」「触れることのできるもの」「触れることのできないもの」の四つに分けることができ、実体の有無によって、私たちの知っている世界は構成されています。「見る」と「触る」という二つの行為は、私に世界とものに対する基本的な認識を与えます。
「虚実」という言葉は「実体のあるものとないもの」と解釈されます。私がつくる世界観の中で、立体、映像、絵画などの表現を通じて現実世界の「虚」と「実」に対する認識を打破しようとしています。私は自身が制作した実体に対する概念を超えたものを「虚実体」と呼びます。